1. 基本的な文法事象が網羅され、かつ一般の方々に利用してもらえる伊江島方言文法書の作成方言文法書作成へ向けて関連文献を検討した結果、文法書の全体構成としては、高橋太郎他2005『日本語の文法』の記述方法を基盤に据え、『言語学辞典』1991・1993の琉球列島の言語の項他、諸文献の研究成果を踏まえながら、生きた形でのわかりやすい方言文法書を目指すことにした。 2. 文法関連自著論文の整理・統合、調査不足事項の調査 自著論文の整理・統合はひとまず終了。調査不足であった「陳述副詞」の調査を終えたので23年度中にまとめる予定である。また、自著論文において不分明であったテンス・アスペクト形式の「第二過去形」について、22年度調査で適切な資料を得ることができた。さらに、既発表論文2002「沖縄伊江島方言の格助詞」の内容を充実させるための補充資料も得ることができた。 3. 伊江島方言教育のための教材開発 子ども達への方言教育について、伊江村立2校の校長先生および教育委員会指導主事さんと、研究協力者2名とともに話し合った結果、まず、伊江島方言を遊びの中に取り入れようということになった。そこで「イージマグチかるた」作成に取り掛かり、7月・8月・2月・3月の調査で原稿を完成させ、23年度中に刊行の運びとなった。 また、「伊江島のことわざ」教材化のための基礎資料作成へ、研究協力者3名の方とともに鋭意調査を進めている。さらに、読み聞かせ用教材「イージマグチ民話集」作成も順調に進めることができた。
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