1 次世代へ継承可能な伊江島方言文法書の作成に向けて (1)当方言文法の骨格部分をわかってもらうために、まず、文の基本的な型を示すこととした。述語となる言葉の品詞分けから「名詞文」「形容詞文「動詞文」に分け、その各々を「述べ立てる文」「たずねる文」「働きかける文」に分けて、現代日本語と伊江島方言とを対照させて示した。敬語は方言使用の要となるので、調査事項を入念に定めた。丁寧体を<敬い度1>と<敬い度2>に分け、「たずねる文」については、<相手側のこと以外を相手に尋ねる場合>と、<相手側のことを相手自身に尋ねる場合>とに分けて示した。次に、伝える内容を充実させるためには、基本文型を元にしてどの部分が必要かを示すために、「文の組み立て」を「主語と述語・目的語・補語・状況語・修飾語・規定語・独立語」に分けて、その各々について意味役割別に現代日本語と伊江島方言を対照させて示した。 (2)未調査部分(形容詞述語の語形変化と名詞述語の語形変化)を調査して語形変化表としてまとめた。 (3)既述論文(修士論文・「沖縄伊江島方言の代名詞」等)の記述内容を再検討して補充調査を行い、その内容をまとめた。 2 方言教育のための教材開発 (1)教材のもととなる「伊江島のことわざ」を研究協力者と作成中で、現在6割程度の完成度である。ことわざの直訳、解説の他に、利用者の便宜を図るため、同じ意味で異なった表現の伊江島のことわざ・那覇のことわざ・日本のことわざを列挙しておくことにした。 (2)「イージマグチかるた(続)」(仮称)の読み札を完成させた。絵カードの仕上がりを待つ段階にある。 (3)「いーじまぐち五十音表」を研究協力者・同村出身の画家の方と作成完了、平成25年4月に伊江小・中学生全員に配付された。 (4)語り聞かせ用『伊江島の民話』(第1集)、文章・挿絵・CD吹込みを終了し、入稿中である。
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