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2011 年度 実績報告書

日本語方言オノマトペの記述モデル構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520484
研究機関大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所

研究代表者

竹田 晃子  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 時空間変異研究系, プロジェクト非常勤研究員 (60423993)

研究分担者 三井 はるみ  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 理論・構造研究系, 助教 (50219672)
小林 隆  東北大学, 文学研究科, 教授 (00161993)
キーワード日本語 / 方言 / 語彙 / オノマトペ / 擬音語・擬態語 / 国語学 / 言語学
研究概要

平成23年度の研究においては,方言オノマトペを全国的に把握するに十分な基盤資料となる「日本語方言オノマトペ・データベース」の構築に,前年度に引き続き取り組みつつ,数地点での記述調査を試みた。
このデータベースは,全国各地の方言集・方言辞典・地誌など計410冊における約7700語の方言オノマトペの語形・都道府県・見出し語形・意味・用例などの情報を大まかに見渡せるものである。方言オノマトペがさまざまな名詞・動詞・形容詞などを派生させることから,単純なオノマトペではない語も検討対象に加え,語彙体系全体を見渡す必要がある。そこで,平成23年度は,特定地点として鹿児島県喜界町,岩手県盛岡市,群馬県西部地方について,代表的な方言集の全体を入力し,語形と意味用法の両面から,語彙体系全体におけるオノマトペの位置づけを試みた。その際には,実際に面接調査で使用する調査票を作成した。具体的には,方言文献資料に基づいて喜界町方言のオノマトペ・リストを作成し,それらを参照しながら実際の調査を行うことにより,方言におけるオノマトペの研究方法を模索し,報告した。その結果,オノマトペの繰り返し語形を短縮化した語形の語末を長音にしたものが名詞として用いられること(例:アドゥナアドゥナ(のろのろ)/アドゥナー(のろま))について指摘し,「猫」のグルーも同様に,オノマトペの繰り返し語形を最短の語形に短縮化し,語末を長音にすることで,「グルグルとのどを鳴らす動物」というような意味から成立したものであることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

方言オノマトペにおいてはデータベースが存在せず研究の基盤がないに等しい状態であったが,新たなデータベースが構築されつつあることと,語彙体系全体におけるオノマトペの位置づけを明らかにするための方法が整いつつあること

今後の研究の推進方策

当初,方言オノマトペのみを抽出して入力し,分析することを考えていたが,実際の分析において,オノマトペ以外の語も分析対象にすべきであることが明らかになった。そのため,資料の一部のみを入力するのではなく,全体を入力することとしが。現在は,それらのデータから,オノマトペとそれに関わる語の関係を把握しつつある。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (9件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 驚きの感動詞「バ」2012

    • 著者名/発表者名
      小林隆・澤村美幸
    • 雑誌名

      宮城県・岩手県三陸地方南部地域方言の研究

      ページ: 165-188

  • [雑誌論文] 鹿児島県喜界島方言におけるオノマトペの語彙的特徴2012

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 雑誌名

      消滅危機方言の調査・保存のための総合的研究-喜界島方言調査報告書-(国立国語研究所共同研究報告11-01)

      ページ: 139-162

  • [雑誌論文] 山形県米沢市方言・山形市方言における条件表現の研究2012

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 雑誌名

      大正大学研究紀要

      巻: 97 ページ: 119-126

  • [雑誌論文] 東北方言における極限のとりたて助詞サエ2012

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 雑誌名

      フェリス女学院大学文学部紀要

      巻: 47

  • [雑誌論文] 宮城県・岩手県三陸地方南部地域方言のヴォイス(受身・可能)2012

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 雑誌名

      宮城県・岩手県三陸地方南部地域方言の研究

      ページ: 73-86

  • [雑誌論文] 宮城県・岩手県三陸地方南部地域方言のテンス・アスペクト2012

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 雑誌名

      宮城県・岩手県三陸地方南部地域方言の研究

      ページ: 87-98

  • [雑誌論文] テンス形式および文末の「ケ」の用法2012

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 雑誌名

      宮城県・山形県陸羽東線沿線地域方言の研究

      ページ: 73-86

  • [雑誌論文] 感動詞「猫の呼び声」2012

    • 著者名/発表者名
      小林隆
    • 雑誌名

      宮城県・山形県陸羽東線沿線地域方言の研究

      ページ: 162-172

  • [雑誌論文] われわれがなすべきこと-震災のなかの方言を前にして-2012

    • 著者名/発表者名
      小林隆
    • 雑誌名

      東日本大震災と方言

      ページ: 1-4

  • [学会発表] 言語地図データベースの特徴と利用方法2011

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 学会等名
      国立国語研究所共同研究プロジェクト「方言の形成過程解明のための全国方言調査」共同研究発表会
    • 発表場所
      国語研究所
    • 年月日
      20110000
  • [学会発表] 岩手県盛岡市方言におけるオノマトペの語彙的特徴2011

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 学会等名
      平成23年度群馬県立女子大学国語国文学会大会
    • 発表場所
      群馬県立女子大学新館1F第1講義室
    • 年月日
      20110000
  • [学会発表] 「東京語調査」の概要-山手線沿線調査を中心に-2011

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 学会等名
      国立国語研究所共同研究プロジェクト「首都圏の言語の実態と動向に関する研究」公開研究発表会
    • 発表場所
      國學院大學渋谷キャンパス3号館3307教室
    • 年月日
      2011-10-30
  • [学会発表] 東西方言境界線の発見-『口語法調査報告書』と「東西語法境界線図」類の対照から-2011

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 学会等名
      第93回日本方言研究会研究発表会
    • 発表場所
      高知大学
    • 年月日
      2011-10-22
  • [学会発表] 新村出自筆「東西語法境界線概略」の成立再考-新村出と大槻文彦による3枚の図をもとに-2011

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 学会等名
      第28回社会言語科学会研究大会
    • 発表場所
      龍谷大学
    • 年月日
      2011-09-18
  • [学会発表] 「全国方言文法の対比的研究」調査の概要とそのデータ分析(1)-原因・理由表現-2011

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 学会等名
      第51回NINJALサロン(国立国語研究所)
    • 発表場所
      国語研究所
    • 年月日
      2011-07-05
  • [備考]

    • URL

      http://www.ninjal.ac.jp/pages/onomatopoeia.html

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公開日: 2013-06-26  

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