研究課題/領域番号 |
22520485
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
福田 薫 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (50261368)
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キーワード | 文法化 / コーパス / ロジスティック回帰 / 法副詞 |
研究概要 |
2010年度はBNCやCOCAなど現代英語コーパスを対象とした調査の結果に基づいてno doubtおよびその類義表現の語法上の特徴を抽出することを試みた。これに対し、2011年度はコーパス調査の対象を16世紀から20世紀にわたる近現代英語に拡大し、文法化現象の一つとしてのno doubtの副詞用法の発達について、コーパス調査とデータ分析をおこなった。具体的には、OED(第2版)を近現代英語の通時的コーパスと見倣し、no doubtおよびその変異形の検索を行い、約1,000件についてテキストデータベース化作業を行った。 この調査結果に基づいて、no doubtの文中での生起位置(文頭、助動詞位置、文末)、前置詞句(about it)の有無、命題内容に対する話し手の確信度(同一節中に共起する助動詞や時制)、背景化あるいは前景化機能を持つ特定の文脈や表現(譲歩の従属節、逆接の接続詞)との共起関係などの要因に着目して、頻度の年代推移をデータ化した。頻度分析の結果、副詞的no doubtの生起位置に関しては、初期近代ではもっぱら文頭位置であったが徐々に文中の助動詞位置での生起が増加している。また、初期近代の時点ですでに副詞用法が十分に発達していることから、名詞句からの縮約という発達シナリオ(There is no doubt/I have no doubt that S>that脱落と挿入節化〉副詞用法)は再検討が必要であろう。 本年度は、名詞用法と副詞用法の使用選択という観点から、ロジスティック回帰分析を適用して副詞性の年代推移を量的に測定することにより、nodoubtの副詞化という文法化メカニズムを検討していく。分析の結果は、関連学会において積極的に口頭や論文で発表していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
科研費補助金の交付が決定した2010年に大学附属幼稚園の園長兼任を命じられた。同時に2010年から現在まで大学の新学部設置計画が進行中であり、その構想・計画の立案等に中心的に関与せざるを得ない。このため、自身の研究のための時間を確保するのが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
2012年3月末で附属幼稚園長を退任した。新学部設置審査過程は今年も続くが、5月以降は書類整備作業が中心となり、作業量の軽減が見込める。分析のためのテキストデータはすでに抽出できており、ロジスティック回帰分析への習熟、経験も蓄積されてきている。研究の遂行に当たり、深刻な程度の問題はないと考えられる。
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