世界言語構造地図(WALS)のデータをもとに、語強勢の位置と主要部と補部の語順が相関することを示した。 主要部と補部の語順として、語(接辞と語幹)、名詞句(名詞と属格修飾部)、前置詞句/後置詞句(前置詞/後置詞と名詞)、動詞句(動詞と目的語)、従属節(従属接続詞と節)、という5つの範疇で、語から従属節へと範疇が大きくなるにつれて、主要部-補部の主要部先行語順を持つ言語が地理的、段階的に増えていくことを示した。 さらに、語頭近くに強勢を持つ言語は、補部-主要部(主要部後行)の語順をとり、語末近くに強勢を持つ言語は、主要部先行の語順をとる傾向があることを示し、この相関を生成文法によって説明した。
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