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2011 年度 実績報告書

学習英文法の歴史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520512
研究機関東洋英和女学院大学

研究代表者

中村 捷  東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 教授 (20004088)

キーワード伝統文法 / 生成文法 / 斎藤秀三郎 / 細江逸記 / Sweet / Jespersen / Curme / Idiomology
研究概要

本研究の最終目的は、日本における学習英文法史をまとめることであるが、本研究では、まず、日本における学習英文法の歴史を辿り、学習英文法史上で重要と思われるいくつかの文法書の内容を、現代の英語学の視点から、取り扱われている範囲、内容とその記述方法、文法概念の扱い方、学習者に対する配慮、練習問題などの特徴を詳細に吟味し、その功罪を明らかにし、過去の遺産を現在の学習英文法の構築に生かす方途を探ることである。
学習文法は伝統的文法を土台としている。伝統文法書の中で細江逸記の文法書は、日本における本格的記述文法の最もまとまった内容をもつ最初のものである。市河三喜のものは日本に記述文法を導入し、それを根付かせる役割を担った、日本における記述文法の先駆けとなる研究である。最終年度に行う研究は斎藤秀三郎の『実用英文法』の検討である。この本は日本で初めての体系的英文法書であり、いまもその価値を失っていない優れた研究であり、日本における英語研究の源流をなすものである。この文法書は、いわゆる「科学的」視点から書かれたものではなく、英語を書いたり読んだりする場合に必要な「実用的な」情報を体系化したものである。しかしながら、記述的視点から見るならば、その後の細江などの文法に劣るところはまったくない優れたものである。斎藤秀三郎の研究はIdiomologyという彼の造語によって特徴づけられるが、この研究方法は日本語の研究を介在して初めて成立するものであることから、本研究では斎藤のIdiomologyを日英語比較の源流と位置付ける。この視点はこれまで見られなかった新しい評価の視点である。このことを裏付けるために正則学校講義録、鯨岡の斎藤の講義ノートの詳細な分析を行う。本研究の最終目標は「伝統文法の系譜」をたどることであり、今後取り上げるのは海外の研究者Sweet,Jespersen,Curmeの研究である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究が終了する来年3月までには500ページ近い報告書ができあがる予定である。この報告書は日本における伝統文法を牽引した最も優れた研究者である斎藤秀三郎、市河三喜、細江逸記の主要文献を取り上げて解題している。

今後の研究の推進方策

今後は伝統文法の世界で世界をリードしたSweet,Jespersen,Curmeの代表的著作の解題を行う。すでに研究がまとまっている日本の伝統文法研究と海外における伝統文法研究を比較・対照することによって、日本の伝統文法の独自性を明らかにし、海外からの影響の足跡を辿ることができることが期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 句構造の重要性2012

    • 著者名/発表者名
      中村捷
    • 雑誌名

      最新言語理論の成果を英語教育に活用する

      巻: (特別寄稿論文) ページ: 1-12

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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