研究概要 |
1.研究環境整備の一環として、国内で公刊されている最新の日本語教育教科書・教材・専門書を収集した。国外資料は英語圏、中国、韓国で出版されたものを主に収集した。また、聴覚障害留学生への日本語教育は書記日本語の教育のみならず手話教育を加えた2領域の教育が不可欠であることから日本の手話教科書・教材なども収集した。さらに留学生の出身国として今後可能性が高まると想定されるアジア圏の手話教科書資料も収集した。 2.収集した教科書・教材について、聴覚障害者の学習に無理のない学習項目・内容・記述であるかいなか、指導方法にどのような工夫・修正が必要かなどの視点から分析した。 3.先行研究例および参考資料の発掘を目指して『日本語教育』(日本語教育学会)誌を中心に、障害を持つ日本語学習者等に言及する論考の有無を1970年代までさかのぼり調査した。過去に障害者が置かれてきた状況を反映してか特筆すべき資料の発掘には至らなかったが、この結果は本研究課題の今日的意義を証するものとなった。 4.沖縄県日本語教育研究会2010年度第3回研究発表会(2011,3.8琉球大学)において発表した。「留学生30万人計画」のもとでは障害留学生の増加が見込まれること、障害を有する留学生の中でも聴覚障害留学生は特別なサポートが必要であり、ニーズに合わせた日本語教育研究の必要性があることを国内の指導例と海外の動向を踏まえて報告した。
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