研究課題/領域番号 |
22520518
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
鎌田 美千子 宇都宮大学, 留学生センター, 准教授 (40372346)
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研究分担者 |
仁科 浩美 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10431644)
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キーワード | 日本語教育 / アカデミック・ライティング / パラフレーズ / 言い換え / 文体 / 第二言語 / 教材開発 |
研究概要 |
1. 第二言語としての日本語パラフレーズの教育方法開発に向けた調査研究 前年度までの基盤研究C「日本語学習者の文章産出におけるパラフレーズに関する研究」における語彙面及び統語面の検証に続き、文章・談話レベルのパラフレーズの分析を行った。具体的には、話し言葉で構成された複数の文の内容を書き言葉で書き換えるパラフレーズ課題における留学生と日本人学生のパラフレーズ使用の異同を明らかにした。得られた結果に基づき、文章・談話レベルといった広い範囲からのパラフレーズ練習が必要であることを示した。この研究成果については、22年7月に台湾・国立政治大学で開催されたInternational Conference on Japanese Language Education 2010で発表した。さらに原文の頻出語の残存に関する分析を加え、論文「具体例からの抽象化に見られるパラフレーズの分析-文体の違いを文章・談話レベルから考える-」(『外国文学』60号)としてまとめた。 2. 学習項目の選定と具体的な教育方法の検討 上記(1)及び前年度までの研究により明らかになった、日本語学習者のパラフレーズの特徴と問題点を総括し、予想される困難点を整理した上で、教材化にあたっての学習項目を選定した。従来の教材になかった点として、もとの表現にない語句を用いたパラフレーズや、もとの表現をつなぎ合わせるだけでは解決できないようなパラフレーズも取り上げることとした。あわせて、取り組むべき練習とその方法についても検討した。これらの研究成果については、22年11月に宮城教育大学で行われた日本語教育学会研究集会において発表した。23年度に研究論文として投稿する予定である。当初、学習項目の選定は23年度に計画していたが、研究が順調に進み、今年度実施することができた。 3. 教材開発に向けた準備 次年度からの教材開発に向けて例文・問題文の素材を収集するとともに、問題文の一部を作成した。
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