研究課題/領域番号 |
22520518
|
研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
鎌田 美千子 宇都宮大学, 留学生センター, 准教授 (40372346)
|
研究分担者 |
仁科 浩美 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10431644)
|
キーワード | 言語学 / 日本語教育 / 第二言語 / アカデミック・ライティング / パラフレーズ(言い換え・書き換え) |
研究概要 |
23年度は、以下の3点に取り組んだ。 1.パラフレーズ教育方法に関する理論的考察 第二言語としての日本語によるパラフレーズの教育方法を教材の形で提案するにあたって、その背景となる理論的考察を行った。具体的には、(1)母語話者と学習者のパラフレーズ使用の違い、(2)単語レベルのパラフレーズの難しさがどのような点にあるのか、(3)単語レベルのパラフレーズの練習だけではなぜ不十分なのかといった各点から考察し、必要となる教材の方向性を示した。この研究成果は、2012年3月に刊行された『日本語学習支援の構築』(凡人社)に論文としてまとめ、日本語教育関係者の間で議論する上での視座を提示した。 2.パラフレーズに関する具体的教育方法に関する検討 外国人留学生が多様なパラフレーズを体系的に学べる教材の構成と内容を検討した。「読む」「聴く」「話す」の各技能と「書く」ことを結びつけてパラフレーズを捉えることにより、実際の言語使用場面に近づけた練習が可能になった。この研究成果は、論文「留学生を対象にしたパラフレーズ教材の必要性と教材開発」(『外国文学』61号)としてまとめた。 3.習留学生を対象にしたパラフレーズ教材の試作 上記2に基づいて、パラフレーズ教材の「基礎編」「発展編」の例文と問題文を作成し試作版にまとめた。従来の主要な日本語教科書では扱われていなかった種類のパラフレーズを多数取り上げ、多様なパラフレーズを体系的に学べる構成と内容を示した。また、試作した教材の部分的な試行を実施し、学習者からは概ね良好な評価を得ることができた。教材の試行は24年度に計画していたが、研究が順調に進み、23年度に着手することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度の研究実施計画をおおむね予定通り実施できており、順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の最終年度にあたる24年度は、開発した教材の試行を複数の大学で行い、一層の充実を図る予定である。研究計画等の変更は特にない。
|