研究課題/領域番号 |
22520518
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
鎌田 美千子 宇都宮大学, 留学生・国際交流センター, 准教授 (40372346)
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研究分担者 |
仁科 浩美 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (10431644)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 日本語教育 / 第二言語 / アカデミック・ライティング / パラフレーズ / 言い換え / 書き換え / 教材開発 / 留学生 |
研究概要 |
(1)提示する問題文に関する考察 要約や間接引用では、文章に直接書かれていない非明示的意味を言語化することがあるが、留学生を対象とした従来の日本語教科書では、この種の学習が不足していたため、心理言語学的モデル(van Dijk and Kintsch 1983他)に基づき考察し、提示する問題文のあり方を検討した。留学生と日本人学生の要約文を分析した結果、非明示的意味を表すパラフレーズに量的・質的な差異が見られ、学習項目として取り上げる必要性が示唆された。この研究成果については、2012年8月に名古屋大学で開催された日本語教育国際研究大会(ICJLE 2012)において発表し、個々の学習者の既有知識に配慮した問題文の作成が課題であることを提示した。 (2)試作教材の試行と改善 今年度は、研究代表者及び研究分担者の所属大学以外での試行を実施し、開発者以外の授業での活用が可能かどうかを検証した。試用した教員及び留学生からは良好な評価が得られ、有用であることが確認された。①個々の表現の調整、②問題文の配列による難易度の調整、③留学生にとってわかりにくい語に対する注の追加、④漢字の読み一覧の追加を行い、改善を図った。 (3)パラフレーズ教材の刊行 3年間にわたる本研究を総括して、『アカデミック・ライティングを学ぶ留学生のためのパラフレーズ演習』(B5判、全86頁)を刊行した。本書により、アカデミック・ライティングに必要となるパラフレーズを体系的に学ぶことができるようになった。これまでのようにレポート・論文といった枠組みからのみ学術場面で必要となるライティングを考えるのではなく、「読む」「聴く」「話す」「書く」といった言語活動と結びつけて捉えている点が特徴として挙げられる。このような日本語教材は従来なかったものであり、アカデミック・ライティングを学ぶ留学生の一助になるものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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