本研究の目的は、日本語教育および教養教育で使用する、社会科学系の日本語読解教材を開発するため、新しいメディア技術や方法を研究し、それらを利用した読解教材を開発することであった。研究の結果、以下の二つの成果が得られた。第一は、社会科学系の読解教材のコンテンツを開発し、その教材をマルチ・メディア対応のものに仕上げること、第二は、Moodleというe-ラーニング・システムを使用して、それらの教材を学生に配信することであった。試作版では、まず読解教材をデジタル化した。そして、Moodleにテキストと語彙リストをアップロードし、予習用教材として提示した。次に、専門教員がテキストに関連する重要な概念や事項を解説した動画をアップロードし、日本語教員も学生も見られるようにした。これにより従来の一方向型のe-ラーニングから、動画を使用した双方向型のブレンディッド・ラーニングへとシステムを発展させることが可能となった。
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