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2012 年度 実績報告書

第2言語としての日本語習得と日本語フィラー習得の関係に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520520
研究機関埼玉大学

研究代表者

小出 慶一  埼玉大学, 教養学部, 教授 (60178192)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードフィラー / 発話行動 / 日本語習得段階
研究概要

日本語のフィラーが、日本語学習者(第2言語としての日本語を学習する者)にどのように習得されていくか、日本語学習者の習得段階とそのフィラー使用との間に何らかの関係があるか、あるとすればどのような要因によるか、このことをテーマに研究を進めた。
この問題に関しては、小出(2011)において、OPIの学習段階設定に従って示せば、初級(母音延引系(あー))→中級前半(指示詞系「あのー」)→中級後半(母音延引系「えー」「えーと」)→上級(副詞系「まー」「もー」)→超級(指示詞系「こー」)のように、学習段階とフィラーには画然とした相関関係の見られることを指摘した。フィラーは、あくまで対象言語の体系に属するものであり、学習の対象となるものなのである。しかし、フィラーは明示的な学習項目として取り上げられることは、「あのー」を除いてほぼない。それにもかかわらず、習得が進み、かつ、学習段階と相関している。
これは言語の自然習得が体系的に進むということのよい例であると思われる。しかし、その一方で、日本語母語話者が少数であるが使用する「このー」などの出現が日本語学習者にほとんど観察されなかったことを見ると、母語話者の使用頻度が反映したもので、学習者は話しことばの日本語に触れ、その際に、フィラー使用について統計的な出現状況の処理を行っているからではないかとも思われる。フィラーは、話しことばにはつきものであり、そのような統計的な処理を行うためのデータには事欠かないからである。
また、発話には、フィラー的な要素が必要であり、明示的な教示の有無にかかわらず、日本語学習者は必要な形式を探すことになる。フィラーは、発話内容そのものの形成にはかかわらないが、発話行動というものを形成するためには欠かすことのできないものなのであるし、フィラー研究は発話行動という観点から行われるべきものと思われる。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] フィラーとしての「ちょっと」について2012

    • 著者名/発表者名
      小出慶一
    • 雑誌名

      埼玉大学紀要. 教養学部

      巻: 48(1), ページ: 59-71

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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