研究概要 |
本研究は,異文化という要素がビデオ会議に与える影響を解明しようとするものである。「遠隔ディスカッションの有用性に関する実証的研究(平成19年度科研費課題番号19520450)」の成果を踏まえ,異文化交流教育と日本語教育のための,インターネットを使った遠隔ディスカッション(ビデオ会議)を,タイ,トルコ,オーストラリアの海外協定校と,1対1,及び多地点同時通信で行う。それにより,まず1対1と多地点という方法の影響を調べ,その上で,異文化という要素がビデオ会議にどう作用するかを明らかにする。使用言語は日本語または英語である。ビデオ会議システムは「ビデオ会議用サーバ(現有)及びクライアントシステム」を新たに採用する。 平成22(2010)年度には,以下のことを行った。 1)平成19年度の研究成果である「改良版ビデオ会議実施」の結果を踏まえ、議論の内容面を充実させる研究を行った。即ち、テーマ設定、参考資料、会議の進行方法、教師の関与の度合い、参加者の専攻基準、会議前後の学習項目等について検討した。2)米国協定校(ウイリアム・アンド・メアリー大学)とタイ国協定校(チェンマイ大学)の外国人学生と本学日本人学生とのビデオ会議を、同じテーマ「友だち関係」について行い、文化の違いがビデオ会議の進展にどう影響するかを検討した。その結果を国際学会で発表した(「ビデオ会議による異文化交流ディスカッションの実践-文化的背景の違いに注目して-」2010 ICJLE世界日本語教育大会)。3)トルコの中東工業大学(METU)の学生と本学学生との間で,英語によるビデオ会議を3回行った。その結果を分析中である。4)タイ(チェンマイ大学),トルコ(チャナッカレ大学)に赴き,ビデオ会議の綿密な打ち合わせを行い,ビデオ会議用通信機器を設置し、23年度に行うビデオ会議の準備を行った。
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