研究課題/領域番号 |
22520545
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研究機関 | 広島経済大学 |
研究代表者 |
宮岡 弥生 広島経済大学, 経済学部, 教授 (10351975)
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研究分担者 |
時本 真吾 目白大学, 外国語学部, 教授 (00291849)
玉岡 賀津雄 名古屋大学, 大学院・国際言語文化研究科, 教授 (70227263)
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キーワード | 敬語 / ERP / 脳波測定 / 中国語母語話者 / 韓国語母語話者 |
研究概要 |
本研究の目的は、中国語および韓国語を母語とする日本語学習者の敬語理解過程について、脳波測定実験に基づく神経科学的見地から解明することによって、効果的な敬語教育の方法を検討することである。平成23年度には、平成22年度に「日本言語学会第141回大会」において学会発表を行った日本語母語話者対象の脳波測定実験に関して、研究代表者の宮岡弥生が筆頭著者となって論文を執筆し投稿することを計画していた。この論文執筆の過程で、研究分担者である時本真吾および玉岡賀津雄と研究打ち合わせを行い、分析方法や論文の方向性について適宜助言を得た。この論文は、日本言語学会が発行する学術雑誌『言語研究』に投稿する予定で、現在も継続して執筆中である。また、平成23年度中に中国語母語話者対象の脳波測定実験を実施するべく準備を進めていたところ、研究打ち合わせの過程で、さらに良い結果が得られるような実験プログラム案が浮上したため、プログラムを修正した。修正に際しては、実際に数名の被験者を募って脳波測定実験を行い、データを採取した。主な修正点は、被験者ごとに画面上での最適な刺激提示時間が設定されるようにしたことである。また凝視点などの画面の提示順序や提示時間も微調整した。プログラムの修正に当たっては、研究代表者の宮岡と研究分担者の時本および玉岡、さらに実験プログラム・E-Primeの専門家であり、現在、名古屋大学大学院・国際言語文化研究科に学術研究員として在籍しているRinusVerdonschot氏がミーティングを行い、内容を議論した。実際のプログラム修正作業は、RinusVerdonschot氏に依頼した。このプログラム修正によって、当初想定していたよりも信頼性の高い実験データが得られるものと期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験プログラムを修正したため、中国語母語話者対象の脳波測定実験の実施時期が若干遅れてはいるが、プログラムの修正によって、より信頼度の高いデータが得られる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度には、中国語母語話者および韓国語母語話者対象の脳波測定実験を実施する。これら2つの実験は平成25年度初頭には完了させ、研究結果を各種学会において公表する。反応時間測定実験については、脳波と同時に測定できることが明らかになったため、別途行うことをせず、脳波測定実験に一括する。これによって、研究推進の効率化が図られる。
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