研究課題
本研究の目的は、中国語および韓国語を母語とする日本語学習者の敬語理解過程を、脳波測定実験に基づく神経科学的見地から解明することによって、効果的な敬語教育の方法を検討することである。平成24年度には、平成23年度に引き続いて、実験プログラムおよび実験設備の修正を行った。プログラムの修正に当たっては、研究代表者の宮岡と研究分担者の時本、および実験プログラム・E-Primeの専門家である名古屋大学大学院・国際言語文化研究科学術研究員のRinus Verdonschot氏がミーティングを行い、内容を議論した。プログラムの主な修正点は、刺激の最適提示時間の微調整である。実験プログラムの修正はRinus Verdonschot氏が行い、中国語母語話者に対する予備実験も実施した。その過程で、実験参加者である日本語学習者の日本語能力の測定は、実験の際に得られる正答率だけでは不十分であることが明らかになったため、脳波測定実験に加えて語彙と文法に関する簡単な日本語能力テストを実験参加者に課すことにした。さらに、実験設備自体も改善する必要があることがわかったため、脳波測定システムに詳しい、カナダ・カールトン大学准教授のMasako Hirotani氏を招聘し、指導を仰いだ。その指導に基づいて、実験設備周辺の電磁波カットの対策強化、実験スペースの改善を行った。これらの改善によって、当初想定していたよりも信頼性の高い実験データが得られるものと期待できる。また、平成22年度に「日本言語学会第141回大会」において学会発表を行った日本語母語話者対象の脳波測定実験に関して、英語圏の学術雑誌に投稿するべく準備中である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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