22年度はパイロット研究、およびスピーキング、リスニングテストの信頼性、妥当性の検討を行った。後学期の10月から2月まで、ある市立中学校三年生6クラスがランダムに二つのグループにわけられ、実験群は相互評価を含んだスピーキングの言語活動を計五回、統制群は同様のスピーキング活動を行ったが評価活動は行わなかった。いずれも活動は通常授業の中で行われ、内容は教科書の内容、あるいは教科書の発展的な活動であった。活動は四人組にまずなり、スピーキング練習をペアでしてから発表するペア、観察するペアを交代しながら四度ほど行い、観察をする二名が評価表を用いて評価をしてフィードバックを返すというものであった。テストはスピーキング、リスニングの事前テスト、事後テストおよび自己評価を行ったが、リスニング事前テスト以外の結果は現在分析中である。さまざまな事情でスピーキングテストは事前、事後に同じものを使用しており、別のバージョンに関してはパイロットを行なうことができなかった。これに関しては23年度の本実験で使用するかどうか検討する必要がある。 リスニングの事前テストは今回が四度目の実施であった。それ以前の三回の実施を通して問題の改善、選定、削除などが行われていた。四回目の結果は三回目の結果と一緒に分析を行い、結果としてはこれまでで最も高い信頼性があるバージョンとなった。また、三回目のバージョンを受けた学校の生徒が全体として、四回目の学校の生徒より全体に高い能力があることもわかった。このバージョンは23年度行う予定の本実験の事前事後テストとして使用するのにあたり、結果は良好であり実験自体にとって非常に望ましいものとなった。
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