研究課題/領域番号 |
22520552
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
HOOGENBOOM RAY 群馬大学, 大学教育・学生支援機構, 准教授 (80436295)
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研究分担者 |
上原 景子 群馬大学, 教育学部, 教授 (40323323)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 英語教育 / 教員養成 / ティーム・ティーチング / TT / ALT / JTE / 英語指導助手 / 言語活動 |
研究概要 |
本研究の目的は,英語教員志望の学生を対象とした『ティーム・ティーチング(TT)能力養成プログラム』の開発である。ALT(外国人指導助手)とのTTは,今日の英語教育では極めて一般的であるが,小中学校における英語教育の一貫性と英語の多用が重視される中,「小中英語教育の円滑な接続を目指したALTとのTTの質の向上と効率化」は非常に重要な課題である。特に,小学校で外国語活動(英語活動)を主として行う担任教師の大半は英語が専門でないため,大学の英語教員養成には,中学校における英語担当としてだけでなく,小学校においても中心となって効果的にTTを行える能力をもつ人材を輩出する使命がある。こうした背景から,本研究では,大学英語教員養成課程において,「英語母語話者教員と日本人教員が連携し,1年生から新任教員までの5年間を見通して,「TT能力の要素」を軸にTT能力養成プログラムを構築する。 平成25年度は,主として以下を行った。(1)ALTとのTTで日本人教師に求められる技量の要素の体系化,(2)英語専攻学生を対象とした「望まれる英語教師像」の要素に関する質問紙調査と討論会,(3)コミュニケーション能力の基礎の育成を目指すTTによる言語活動のあり方の観察と分析,(4)コミュニケーション能力の基礎の育成を目指すTTにおける「学習者に分かりやすいインプット」の要素に関する実験・調査と分析,(5)TT能力養成プログラム構築のための「英語専攻学生カルテ」の作成と継続,(6)「英語専攻学生カルテ」の項目に基づいたデータ収集と分析 先の(1)では既に体系化した要素の検討と補足を行い,(2)の情報の分析結果との対応を行った。(3)では,現職教員と教育実習生の授業実践の観察,記録,分析を行った。(4)では,日本人英語学習者,ALT,中学生,現職日本人英語教員対象の実験・調査を行った。(5)(6)は継続である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に従い,これまで体系化した「TT能力の要素」と担当授業との対応をし,必要な修正と補足,および全体の検討を行った。これらの作業では,英語専攻生を対象として実施してきた「分かりやすい授業の要素」と「望まれる英語教師像」についての質問紙調査やインタビューの分析結果も取り入れた。 これまで調査をしてきた英語教師の重要な専門性の項目のうち,英語力については,(1)多読プログラム,(2)スピークアウト・レコーディングプログラム,(3)ライティングプログラム,(4)スキット作成プログラム,(5)発音ブラッシュアッププログラムなどを行ってきた。また,英語指導力については,(6)指導に関する項目の英語でのディスカッションプログラム,(7)TTプラン作成プログラム,(8)TTマイクロティーチングプログラムなどを行ってきた。こうしたプログラムの大半は,授業担当教師からのコメントだけでなく,同学年の学生同士と他学年の学生からのフィードバック,自己診断などを取り入れている。 今年度の代表的な成果としては,ALTとJTEが授業で使用する英語の分かりやすさに関する調査が挙げられる。この調査では,質問紙,インタビュー,授業録画から,「分かりやすさ」の要素を音韻,統語,語彙,速さなどの側面から捉えて分析を行うとともに,実験も行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は,前半まで引き続き「TT能力の要素」と授業等との対応・補足を行い,カルテ作成・継続する。また,中盤から後半にかけては,これまで構築し,継続してきた上記の(1)多読プログラム,(2)スピークアウト・レコーディングプログラム,(3)ライティングプログラム,(4)スキット作成プログラム,(5)発音ブラッシュアッププログラム,(6)指導に関する項目の英語でのディスカッションプログラム,(7)TTプラン作成プログラム,(8)TTマイクロティーチングプログラムなどの方法・効果を整理分析し,発信の準備を行う。後半には,研究の成果をまとめ,発信する。
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