研究概要 |
目的グローバル化の進展により世界の外国語教育は,多様化と強化の方向に向かっている。本研究では,外国語教育の現代的ニーズに応えるために,多言語教育を目指した四ヵ国語生活語彙学習教材の開発を行う。具体的には四ヵ国語(英語,中国語,韓国語,日本語)の生活語彙を学ぶための1)紙ベースの教材を開発する,2)学習者に人気の高いiPhone,iPad,iPod touchをプラットフォームとするデジタルモバイル学習教材を1)をもとに開発する,3)指導実践を行い,1)および2)で開発した教材の指導効果を検証することを目的とする。 研究22年度は主に教材開発を行った。研究目的1)と3)に関しては,はじめに,基礎研究として,学習用の生活語彙を,国内外の英語絵辞書30冊と子どもの話し言葉コーパスを統合して,コーパス言語学の手法に基づいて選定した。続いて選定語彙の妥当性を検証した。次に,選定した生活語彙を指導するための英語版のカード教材を作成して公立学校などで実践した。さらに英語版の教材を基に,中国語,韓国語,日本語の多言語教材を,海外から言語教育の専門家を招いて行った。研究目的2)については,iPhone,iPad,iPod Touch用の英語学習教材の開発を進めた。 成果基礎研究として,学校教育の枠組みのもとで学習する語彙に関する調査を行い,その成果を学会紀要にて公刊し(日本英語表現学会),口頭発表を行った(日本実用英語学会,The Third Joint Conference on English Vocabulary and Lexicography)。基礎研究の成果を踏まえて生活語彙を選定し,その妥当性を検証した結果を国際ジャーナルへ投稿し採用された(Asian EFL Journal)。続いて,選定した語彙をもとに紙ベースの英語カード教材を開発し,公立学校等で指導実践をした。開発した教材とその指導方法は,教育委員会(千葉県,市原市,東金市,香取市,浦安市,松戸市等)や民間団体(英語教育フォーラム等)が開催する研修会で,ワークショップ形式で紹介し(合計12回),普及に努めた。また,英語教育関連雑誌等では,本研究から得た成果に基づいて記事を執筆した。
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