本年度は主に英語版教材の開発において成果があった。 モバイル版英語教材:iOS版eCartaは情報通信研究機構(NICT)の協力を得て公開準備が整い,2012年夏の学会にて開発理念,プロセス,成果を報告した。2013年夏の学会では,ショーケースにて開発教材を展示公開する(8月予定)。現在,App Storeでのリリースにむけて申請を行っている。eCarta は主に個人学習用であったため,本年度は KDDI 研究所の協力を得て,学校での集団指導に利用できるAndroidタブレットを使用する学校用教材を試作した。試作教材は,横浜市立白幡小学校で活用された。平成12年11月16日には,タブレットPC版英語カルタを使った6年生の英語授業で公開授業が行われた。 紙版英語教材(カルタ):生活語彙の拡大を目指して「ふるさと,都道府県,世界」を扱ったカルタ教材をそれぞれ試作して実践を行い,結果を検証した。実践成果は学会にて発表した(4件)。これらの教材は,補助情報活用型ステップ式語彙学習法に基づいて指導されたが,この語彙学習法に基づく語彙・文法指導の方法は,教育委員会や地域の英語研究会等が主催する講習会にてワークショップ形式で紹介した(7件)。こうした成果が認められ,カルタ教材とその指導手法をまとめた著書が出版される予定である(印刷中)。 その他:多言語学習教材(日本語,中国語,韓国語)はカルタ教材を完成させた。したがって,補助情報活用型ステップ式語彙学習法に基づく指導,およびタブレットPC教材の開発がいつでも行える状況が整った。さらにカルタ教材は,小・中・高における4技能および語彙・文法の指導に利用できる。そこで英語授業にカルタ教材を取り入れるために,小・中・高学習者の語彙力・文法力,およびその指導に関わる調査を併せて行い,普及のための準備を整えた。
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