研究課題/領域番号 |
22520561
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
小山 由紀江 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (20293251)
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研究分担者 |
杉森 直樹 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (40216338)
田中 省作 立命館大学, 文学部, 准教授 (00325549)
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キーワード | CAT / コーパス / IRT / 科学技術英語 / LRT / Readability |
研究概要 |
本研究の目的は、理工系大学の学部生、院生の専門分野における英語表現力(語彙・語句に関する知識)を測定するため、科学技術コーパスの分析に基づいたコンピュータ適応型テスト(CAT)を作成し、理工系学生の英語教育に資することである。 H22年度から継続した内容は1.コーパス分析と言語テストの理論的研究と2.コーパスの拡充である。 2.コーパスの拡充:これまでに構築した科学技術関連コーパスの全体の構成の見直しを行った。従来中高の英語と学術論文の英語を比較対照した研究を行っていたが、使用される英語の難易度と形式にギャップがあるため、これを埋める一般科学技術英語を想定した。一例として、アメリカの高校の科学関連教科書からPhysicsを選び、このデータを基に新しいコーパスを構築した。 3.抽出された重要語彙・語句を含む文章によるテスト項目の作成:コーパスを分析して得られた語彙・語句を含む項目を200作成し、その中から内容や文の長さなどを考慮し100問を選んで予備テストの項目とした。 4.予備テストをコンピュータで実施しIRTによる項目分析:これは準備の都合上、予備テストを紙ベースで実施し、マークシートに回答する形を取った。その結果をIRTによって分析したが、受験者集団に対して問題の難易度が高すぎることが明らかとなった。今後、再度項目を作成し、部分的に差し替える必要がある。また言語テスト理論としてIRTのみならずLRT (Latent Raak Theory)も有力な候補になることが明らかとなった。 5.Readabihty指標:またコーパス構築や問題項目の作成との関連で、readability指標の研究も行った。これまでのreadabihty指標では測定できない文章間、あるいはパラグラフ間のcohesion, coherenceを視野に入れた指標Coh-Metrixの評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予備テストは終わっているが、H24年度は項目を改良する必要がある。しかし、項目を改良してもう一度予備テストを行えば、CATのシステムを構築する準備ができたことになり、年度の後半でCATの作成が可能となる。
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今後の研究の推進方策 |
H24年度は前期の内に予備試験の2回目を実施し、その結果によって最終的にCATのシステムに使用する項目を決定する予定である。CATシステムの構築には学外者のCAT専門家のアドバイスももらいシミュレーションを行って、修了条件の設定などをする。具体的にはMoodleの中でCATのシステムを動かして試験を実施する。
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