研究課題/領域番号 |
22520576
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
橋本 喜代太 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (50278818)
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研究分担者 |
竹内 和広 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 准教授 (20440951)
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キーワード | プレゼンテーション / 学習分析 / 学習支援システム / 特徴指標抽出 / 教材開発 / 学習者評価 / 英語教育 / マルチメディアコーパス |
研究概要 |
本研究はパラグラフライティングを重視した5パラグラフのエッセイ構成を基本として作成・発表する図版を含む提示資料付き英語プレゼンテーションについて、多面的な項目別採点を踏まえて学習者実態を調査し、その重要点・困難点を特徴として抽出した上で、授業・自習の両面で使える複数の教材、支援ツールを作成するものである。平成23年度は2年目として前年度に作成した複数の自習用教材についてその有効性を検証しつつ、学習者の英語プレゼンテーションをさらに収集し、また、支援ツールの設計並びに部分開発を行うことを目標とした。 まず自習用教材については研究代表者の関連授業において実際に使用し、その結果、プレゼンテーションの内容・資料の英語がどの程度向上したかを確認した。その結果はまだ集計中ではあるが、概算として、平成22年度収録のプレゼンテーションが平均して45程度の誤りをそれぞれ含んでいたのに対して、平成23年度収録のプレゼンテーションでは30程度に減少しており、誤りが主に減少している文法項目が自習用教材で大きく扱われているものであることから一応の有効性が確認できた。また、支援ツールの設計並びに部分開発については国内外の会議、研究会において発表し、参考となる助言をもらうと同時に、その内容について一定の評価を得るとともに、支援ツールの完成・早期公開を期待する意見を多くいただいている。この1,2年でプレゼンテーションの支援を行う学習支援システムは複数提案されつつあるが、英語そのものについての踏み込んだ支援を行うこと、実際に学習者のプレゼンテーションを収録してその分析等を研究・開発に活用すること、といった点では依然として類似の研究は存在せず、教材・支援ツールの開発を行う本研究の意義は高いことが成果発表の採択、関心の高さに示されていると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた自習用教材の作成は一応の完成を見ており、基本的なその有用性の検証も行なえている。また、学習支援システムについても既に設計と部分的な開発を予定通り終えており、順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は最終年として、先の2年間で収集した学習者プレゼンテーションデータ並びにその複数人によるピア学習者評価に基づき、予定している教材並びに支援ツールの作成を完了させることを目標とする。具体的には第一に、チュートリアル教材として、基本的な英文法、リズムやイントネーションを重視した発音、パラグラフ構成、プレゼンテーション手法についての教材として既に作成済みのものについて細部を修正し、これをオンラインで公開する。また作成中の学習支援システムについても年度末をめどに公開する。それに先立ちこれら教材、システムの評価実験を行う。また、成果公開の一環として年度末に関連のワークショップを開催する。
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