研究概要 |
平成22年度は、先行研究レビューとインタビュー調査準備を行った。 欧州評議会現代言語部の許可を得て、COSTE, D, et al. Competence plurilingue et pluriculturelle, [○!C]Conseil de l'Europe,1997/2009の翻訳をしながら、言語越境はもはや特別な経験ではないことと、外国語教育に母語話者基準に限定されない能力認知を導入するにあたっては、言語文化越境者が状況しだい相手しだいで行う交流調整方法の観察において、従来の接触場面研究の方法論とは別に、経験資本の主観的意味づけと社会的行為におけるアイデンティティ戦略の関係性を明らかにする重要性を確認した。 その上で、Zarate, G, et al. (dir), Precis du plurilinguisme et du pluriculturalise, Editions des archives contemporaines, 2008所収論文、国際研究集会Plurilingualism and Pluriculturalism in a Globalised World : Which Pedagogy ?(フランスINALCO、ロンドン大学SOAS共催;於パリ)での発表を参考に、調査対象ごとの調査方法の適切性と、調査結果分析に有効と思われるコンセプトを精査した。 平成23年度に行うインタビューでは、既習言語とその使用、使用例の状況描写に組み込まれたインタビューイの持つ各言語・各文化イメージを明らかにすることを主眼に質問を誘導する必要があると考えた。
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