1. 平成20年度の第1次予備テストの分析に基づき作成した英語プレイスメントテストをアンカー項目として、平成21年度に作成・実施した4つの第2次予備テストのデータを分析し、問題の種類(文法語彙、会話によるリスニング、説明文によるリスニング)ごとに等化と項目の蓄積を行った。また、第1次予備テストの分析時の項目の選択条件を見直すことで項目をさらに増やしても、アイテムバンク全体の整合性が保たれることを確認した。以上のことを、全国英語教育学会および日本教育工学会の全国大会で発表した。また、CAT実施に向けて、平成22年度にも第3次予備テストを実施した。 2. 平成21年度と平成22年度に実施した大問形式の読解問題の予備テストを、多値型データ向けの項目応答理論の分析手法で分析したが、予定していたデータ数が集まらなかったので、CATには数と難易度のばらつきの両方の観点から、さらなる予備テスト実施が必要である。読解問題の分析の実際については、日本テスト学会で中間報告を行った。 3. IRTとCATについては、Assessment Systems Corporationの協力を得て平成22年度9月に東京でワークショップを企画・実施、国内外から約40名の参加者を得た。 4. 文献および学会参加により国内外の英語の能力記述文に関する研究を調査したが、まだ日本の教育環境で誰もが使えると思えるものは完成していない段階である。当面、英検のCan-do Tableを利用する可能性を探るため、調査を行うとともに、他の能力記述文の研究者と共同研究を実施し、2編の論文にまとめた(平成24年度発行予定)。 5. CATのアルゴリズムの検討にも着手し、UCATという1987年にBASICで開発されたプログラムを書き換えてMoodle上で動作するよう外部に作業を委託し、β版の完成を見た。平成24年度中に国内外の学会で発表予定。
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