研究課題/領域番号 |
22520592
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
小栗 成子 中部大学, 語学センター, 教授 (70329671)
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研究分担者 |
柳 朋宏 中部大学, 全学共通教育部, 准教授 (70340205)
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キーワード | 英作文指導 / 添削指導 / 学習者支援 / 英語語彙習得 / Moodleモジュール |
研究概要 |
本研究では、平成22年より英語ライティング添削指導のためのWebシステムERRMarker(エラーマーカー)の開発について、Moodle上で運用できるモジュール開発を継続している。平成22年度の開発段階では、ERRMarkerがMoodleの他機能を使用できなくしてしまうという制限がかかり、このままではMoodle機能を活用して指導モデルを構築することが不可能であることが判明した。したがって、平成23年度は、この使用環境の制限をなくしMoodleを使用できる教育環境下にある教授者ならば、モジュールをインストールするだけで、誰もがERRMarkerシステムを活用できるよう、またそれが他のMoodle機能に影響を及ぼさないよう、モジュールの開発内容を大幅に修正した。また、その開発修正に伴い、教授者・学習者両方の視点に立ったユーザビリティの向上を図り、包括的学習支援のための手だてに焦点を当てた開発を行った。平成23年度に計画されていた、添削指導の試用とその効果の検証は、平成24年度に継続していく。さらに、包括的学習支援の1つであるオンライン文法ガイド・ワークブックの構築に関しては、言語運用能力を高めるための文法力強化オンラインワークブックの構築をめざし、中学レベルの教科書、大学レベルの文法書から1800文ほどの基本例文を収集した。学習者の英語学習ポートフォリオの構築をめざし、自主学習者を対象に学習記録収集の実験を50人程度を対象として進行中である。 実社会において使用頻度が高い語彙を、受容語彙(receptive vocabulary)としてではなく、発表語彙(productive vocabulary)として定着させる指導については、発表語彙力の定着をめざしたオンラインワークブックの構築のため、中学生-大学生を対象に現状調査を行う準備をした。実際の調査自体は、平成24年度に行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
開発計画時に開発支援者として予定していた業者の2名の技術者が退職。1名は新会社を設立して独立し、もう1名は別組織へ移った。このため開発途中における技術者の交代が余儀なくされ、Moodleモジュール開発が滞った。そのため平成23年度途中から、一層Moodleの学習環境構築に経験のある業者を選び直し、新たな技術者が前業者での開発内容を基盤としてモジュールのプログラミングを進めるに至った。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度後半より、中部大学ではCA東LLシステム、eLearning環境の整備が検討されている。「セミダイレクト添削手法を用いたオンライン指導モデルの構築」について、オンライン補助教材の自主作成までを計画していたが、eLearning教材の導入が決まれば、補助教材の独自作成よりも、セミダイレクト添削手法自体のユーザビリティの向上と、指導方法の効果検証、導入された教材との結合に研究に重点をおいていく。また、特別なサーバー環境の導入が不要で無料で誰もが利用できる「クラウドサービス」との連結も視野に入れて行きたい。
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