研究課題/領域番号 |
22520598
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
山本 誠一 同志社大学, 理工学部, 教授 (20374100)
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研究分担者 |
西田 昌文 同志社大学, 理工学部, 准教授 (80361442)
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キーワード | 音声認識 / 言語処理 / CALL / 言語モデル |
研究概要 |
1.特定場面での対話型CALLシステムを開発するのに必要な対話シナリオを検討し、その検討結果に基づき想定する対話場面での英語表現を収集し、対話型CALLシステム開発用の英訳コーパスを開発した。更に、認識結果の信頼度を評価する手法として従来主に使用されてきた複数の音声認識器の音響尤度差に加えて、認識結果の編集距離と新たに提案した言語モデルの被覆率を用いることにより、信頼度の向上が可能であることを検証した。これらの内容をまとめ、「音声対話型CALLシステムの認識性能評価」、「音声対話型CALLシステムでの信頼度評価の検討」と題して信学会で発表した。 2.誤りを含んだ日本人の英語表現を英語母語話者の表現に対応付ける手法として、一定以上の訳質の英文に対して編集距離を基準として対応付ける手法の検討を進めた。これを上記CALLシステムに組み込んだ。 3.第二言語での会話での話者交替を予測するモデルの構築を目的として収集したマルチモーダルな対話コーパスに対し、音声発話以外の情報として、身体動作、視線の動き、韻律などの情報に関してタグ付けを行い、話者交替をSupport Vector Machine判別器で予測を行う手法について実験を進めた。この結果、第二言語での会話では、発話におけるfilled pauseの出現頻度や視線情報の特徴が、母語による会話時の特徴とかなり異なることが明らかとなり、これらの情報を活用する話者交替のモデルが必要となることが明らかとなった。これらの実験結果をまとめ、LREC21012に「Multimodal Corpus of Multi-party Conversations in Second Languageと題して投稿し、採録となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
音声対話型CALLシステムは動作しており、認識性能も想定内発話については当初計画していたレベルの性能に達している。今後は、CALLシステムに組み込んだ一定以上の訳質の英文に対して編集距離を基準として対応付ける手法の評価を進める。
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今後の研究の推進方策 |
音声対話型CALLシステムは動作しており、認識性能も想定内発話については当初計画していたレベルの性能に達している。今後は、冠詞などの比較的誤用の多い語彙に関してクラス設定し、想定内発話の範囲を拡張する。更に、一定レベル以上の英語表現を英語母語話者の表現に対応させる技術を開発し、音声対話型CALLシステムとして評価を進める。
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