本研究では、骨伝導スピーカーを個別学習に適したCALL(Computer Assisted Language Learning)に組み合わせて活用することで、聴覚障害者のための情報保障をする英語教育システムを構築し、健聴者からもデータ収集を行い、外国語音声習得での一般的に適用できる教育法の開発を試みる。聾学校における実験調査・脳活動イメージングによる医学的分析・教育現場の実態調査の3つに焦点をあてて研究調査を行い、この教育システムが有効であることを明らかにすることを目的としている。 1)聾学校における実験調査 授業見学をして英語担当教諭と打合せを進め、調査に必要となる機器を準備した。生徒と保護者を対象に研究調査協力への同意を求める文書を配布・回収した。 2)脳活動イメージングによる医学的分析 以前の調査で利用したfMRI以外の方法による解析を検討し、今後進める行動実験を踏まえて適切な方法を選択するため、専門家に相談した。 3)教育現場の実態調査 マレーシアのSekolah Menengah PendidikanKhas Vokasionalと台湾の台北市立啓聡学校にて、教員からの聞き取り調査・授業見学・施設見学などを行った。継続的調査のために現地研究協力者と打合せをし、次年度に調査する聾学校への連絡をとった。 上記以外に、先行調査で健聴者から収集した比較用データを音声分析し、数値データとして処理する作業を進めた。
|