本研究の目的は、英語学習を苦手とする高専生の英語学習に対する動機づけの構成と学習意欲減退要因の特徴を高校生と比較することにより明らかにすることにある。質問紙調査と英語能力の3年間にわたる縦断的調査により次のことがわかった:①入学後の1年間に動機づけの著しい低下が起きたが、英語能力の伸長との相関は弱かった;②英語の必要性の認識低下と英語への関心および積極的な姿勢の負の相乗効果があった、③成功体験と関心・積極性に強い相関があった;④成功体験の欠如が最も重要な学習意欲減退要因である。動機づけの改善や英語能力の伸長には成功体験や成就感を学習者に与えることが重要であるという示唆を得た。
|