研究概要 |
我が国のTOEFL iBTのスピーキングセクションの結果は110カ国中最下位である.これは我が国の英語教育が,リーディング,ライティング,文法が主体でありスピーキング練習があまりなされていないことに起因すると考えられる.スピーキングについては,限られた授業時間内にクラスの学生全員にインタビューすることが困難である事が問題の一つである.本課題では,10分程度の時間でクラス全員にインタビューテストを行えるよう,webカメラで取得した画像/音声をサーバに記録する仮想インタビューシステムの開発を行うことを目的としている. 本年度は,質問データベースからランダムに選ばれた質問ビデオファイルの再生,それに答える学生の様子の録画(画像/音声),これらをほぼ同時にサーバに転送する基本システムを構築した.サーバに蓄えられたクラス学生の応答ファイルは,授業後担当教員が採点を行うものである.また,本システムをブラウザベースで構築したことにより,場所やOSを選ばず実行できることも特徴である.本システムを実際に授業で使用し,クラス40人の同時転送が可能であることを確認した. ログイン用顔認証システムに関して,家庭用DVカメラと蛍光灯照明を用いて基本的なプログラムを作成し,10人の被験者が2ヶ月間ほぼ毎日認証する予備実験を行った.10枚の登録画像に対して1枚の画像で認証した場合97%,3枚の画像では100%と満足できる認証率が得られた. 音声処理に関して,予備実験の結果市場に出ている認識ソフトでの認識率は低かった.Carnegie Mellon Universityで音声処理の動向について情報収集を行い,今後の処理内容の検討を行った.
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