研究概要 |
我が国のTOEFL iBTのスピーキングセクションの結果は110カ国中最下位である.これは我が国の英語教育が,リーディング,ライティング,文法が主体でありスピーキング練習があまりなされていないことに起因すると考えられる.スピーキングについては,限られた授業時間内にクラスの学生全員にインタビューすることが困難である事が問題の一つである.本課題では,10分程度の時間でクラス全員にインタビューテストを行えるよう,webカメラで取得した画像/音声をサーバに記録する仮想インタビューシステムの開発を行うことを目的としている. 本年度は,質問データベースからランダムに選ばれた質問ビデオファイルの再生,それに答える学生の様子の録画(画像/音声),これらをほぼ同時にサーバに転送する基本システムに,教師がレベルや質問内容を選択して質問データベースに登録できる機能,教師がサーバ上の学生動画像を採点できる機能,学生が各自のスコアや動画像を確認できる機能の追加を行った.本システムを授業で使用したアンケート結果から,74%の学生が本システムがスピーキング能力向上に役立つと回答した.また,58%の学生が教員と面接形式で行う場合に比べて本システムを用いる方がよいと回答した.顔認証システムについては,実際の使用を想定し安価なwebカメラとLEDを用いた簡易照明を用いてクラス40人に対して実験を行った.その結果,認証率が95%に低下した.現在,Kinect,Xtion等の距離センサを内蔵し,深度画像が撮影できるデバイスを用いたシステムの検討を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基本システムは当初の予定より進捗し,使用者からの評価は高い.また,本システムは海外での成果発表において高い評価を得ている.顔画像処理は安価なシステムでは認識率が低下することから,システムの再検討を行っている.音声処理による解析については検討の余地が多く遅れている。以上を鑑みて,全体的にやや遅れていると判断した.
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