研究課題/領域番号 |
22520639
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研究機関 | ノートルダム清心女子大学 |
研究代表者 |
高橋 幸子 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (50299244)
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キーワード | 英語 / メタ認知ストラテジー / 受動的能力 / よい学習者 / 授業外活動 / 授業内活動 / モチベーション / 自立した学習者 |
研究概要 |
平成23年度前半は、メタ認知ストラテジーに関してのデータを集計・分析し、国内の学会で口頭発表を行った。その際に、さまざまな角度からのフィードバックを受けたので、23年度後半の研究への修正をすることができた。 23年度の研究対象者は、英語を専攻としない日本人大学生であり、メタ認知ストラテジー育成プランを実施した。このプランは、12週間にわたる英語リスニング・リーディングの授業内・授業外の活動から成り、研究対象者に理解可能なインプットを大量に与えるものであった。実験群と統制群を設け、同じ量と質のインプットを与えたが、実験群のみに、メタ認知ストラテジーに関する質問票記入を促した。この記入作業により、実験群の研究対象者は自分自身の学習過程に注目するようになり、英語活動における自己内省力を育てていくものと推測された。実験群と統制群との間の英語リーディング力には有意な差は見られなかったが、実験群の英語に対する意識が高まったことが、記入されたリカート法の質問票の分析によって確かめられた。英語リーディングに対するビリーフ(簡単だ・理解できる・興味がある・楽しめる・好きである・この次はうまくできる)において、質問票記入を毎週行った実験群の研究対象者の方が、メタ認知ストラテジー育成プラン実施後には実施前より、各項目の数値が高くなっており、有意の差が確認されたのである。 リスニングに関しては、23年度後半からメタ認知ストラテジー育成プランを開始した。リーディングにおける反省点を改善し、質問票記入に加えて、授業時間内に、学習方略に関するディスカッションや小テストなどを実施した。詳細な研究成果は、24年度前半に出す予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究に関しては、予定していた計画とおりに実施されている。当初は、完成年に1年間かけて、次の発展項目に取りかかることを見込んでいたが、実際には、それが半年になるので、(2)の選択となった。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度後半に始めたリスニングにおけるメタ認知ストラテジー育成プランを、平成24年度前半には、実験群のみで実施する。完成度を高めた研究の手順や調査票を使って、約50人の学習者を研究対象者とする。メタ認知ストラテジー育成プランの中に、質問票記入、小テスト、内省力を高めるための振り返りや短期目標の設定などを組み込む。また、研究対象者に、小テストの記録を取らせていくことで、自分自身の伸びを意識させる。具体的な流れを次に示す。 1.プリテスト 2.授業内活動+授業外活動+メタ認知ストラテジー育成プラン 3.ポストテスト また、24年度後半には、受動的能力をいかに生産的能力に移行していくのか、その方法を探索する。
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