研究概要 |
本研究は世界史の枠組みの中で、申請者がこれまで取り組んできた<第二次世界大戦期までの日本-アフリカ関係史>の研究成果を出発点に、対象地域を東アジア(主に中国、朝鮮半島、日本)にひろげて、19世紀末から20世紀半ばにおける東アジアとアフリカの関係をグローバルな視点から明らかにすることを目的とする。従来、世界史あるいはアジア史やアフリカ史において、個別に扱われてきた諸相をつなぐ接続性を見出す作業であり、その「接点」や「接線」について歴史的考察を試みる。3年間の研究期間で、理論かつ実証面(いくつかの重要な事例研究)での個人研究活動に従事するとともに、この大きなテーマを国際的な規模で論じるための国際共同研究の可能性を探る。さらには、将来的な課題<世界史における東アジアとアフリカ、アフリカ系ディアスポラ>(East Asia, Africa, and the African Diaspora in World History)にどう繋がるかを考える。 研究計画の1年目にあたる平成22年度は、先行研究の調査・収集およびその概観と検証を行った。また、関連の史・資料や情報の収集を国内外で遂行した。(これらは次年度以降も継続して行われる作業である。)また、アフリカ系アメリカ人の歴史を地図とともに解説したJonathan Earle, The Routledge Atlas of African American History (New York & London : Routledge, 2000)を、ジョナサン・アール著『地図でみるアフリカ系アメリカ人の歴史--大西洋奴隷貿易から20世紀まで』として、日本および東アジアとアフリカ系アメリカ人の関係を意識して、共訳者とともに訳出・出版した。
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