研究課題/領域番号 |
22520653
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研究機関 | 京都ノートルダム女子大学 |
研究代表者 |
朱 鳳 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 准教授 (00388068)
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研究分担者 |
塩山 正純 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (10329592)
千葉 謙悟 中央大学, 経済学部, 准教授 (70386564)
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キーワード | 東西文化交流史 / 語彙史 / 言語翻訳 / 言語学 / 中国 / イギリス / 日本 |
研究概要 |
平成23年度は当初の科学研究費申請書に掲げた計画通り、大英図書館に所蔵している東インド会社の記録(East India Company Archive)を中心に調査と研究を行った。 平成23年の夏休みにロンドンに渡り大英図書館でモリソンが20年間近く翻訳業務に携わってきた東インド会社の商館記録(Factory Records)と中国記録(China Records)を調べてきた。それらの資料にモリソンの字典をはじめ多くの出版物に対する東インド会社の支援についての記録がある。しかし、膨大な東インド会社資料の中モリソンに関する記録が点在しているため、短期間の出張調査では成果をあげるのが困難であることが判明した。大英図書館に所蔵しているモリソンに関する資料は今後さらに時間をかけて調査していきたい。 また、平成23年のイギリス出張では、モリソンの生誕地Morpeth Northumberlandと彼のゆかりの地Newcastleも訪れた。特にNewcastleのLibrary of the Literary & Philosophical Societyにはモリソンの著作以外に中国に滞在していた当時のモリソンの肖像も所蔵されていることが判明した。これらの情報はモリソンの内面の真相を解明に大いに役立つと確信している。この出張で得た最新情報をすでに本大学のホームページで発表し、社会に向けて情報発信をした。 さらに、平成23年には平成22年にロンドン大学で得たモリソン日誌資料の翻字作業にも取りかかった。 翻字した資料に基づき、論文「モリソンの中国語学習に関わった中国人たち-モリソン日誌を資料として-」をまとめ、中国浙江財経学院で開催された国際シンポジウム「近代東アジアにおける言語接触」で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査して収集したデータは想像した以上に分量が多く、また、古いデータの翻字作業も想像以上に時間がかかったことに理由があると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度の本年度では、翻字作業にさらに時間を費やし、できるだけ多くの資料を整理していく予定。当初の計画では翻字した資料を日本語に翻訳し、将来出版し、モリソン研究に役立てたいと考えていたが、現在の進捗状況から判断すると、日本語翻訳は次の研究目標にする方が現実的であると研究計画を修正したい。
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