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2010 年度 実績報告書

日本中世の「外国人居留地」に関する比較史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520654
研究機関東北大学

研究代表者

柳原 敏昭  東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30230270)

キーワード日本中世史 / 国際交流 / 居留地 / 唐坊 / 唐人町
研究概要

本年度の成果は、2011年2月に出版した単著『中世日本の周縁と東アジア』に集約される。これは鹿児島県万之瀬川下流地域を主要なフィールドとしつつ、そこから問題を、九州、日本国、東アジアへ拡げた研究書であり、従来の研究を集成するとともに新稿も含んでいる。外国人居留地である唐坊・唐人町も主要なテーマとなっている。
新稿では、古代・中世を通じた日本有数の国際貿易港で唐入町も形成されたといわれる坊津について考察した。その結果、古代~中世前期については当該説に根拠がないことを確認するとともに、そうしたイメージの形成が18世紀にさかのぼり、近代に入って肥大化したことをあきらかにすることができた。これは従来の坊津像、日中交流史像に変更を迫る重要な成果と考えている。また、史学史の研究としても有意義であろう。
本書では旧稿に対しても大幅な補訂を施している。たとえば唐坊遺称地のある鹿児島県万之瀬川旧河口部について、その旧地形を歴史地理学的方法によって論文の初出時よりも数段精緻に復原することができた。
これらの作業にあたっては、本科学研究費から旅費を支弁して、鹿児島県現地において文献調査、フィールドワークを実施している。
本年度は、右著の刊行を踏まえ、さらに外国人居留地研究を本格化させる予定で調査日程を組んでいた。しかし、東日本大震災の発生により実施が不可能となり、予算を次年度に繰り越す結果となった。結局、2012年3月に沖縄県那覇市および宮崎県都城市について現地調査を実施した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 中世対外関係史研究のなかの坊津2010

    • 著者名/発表者名
      柳原敏昭
    • 雑誌名

      新編森克己著作集月報

      巻: 4 ページ: 9-15

  • [学会発表] 中世日本国周縁部の正統観念2011

    • 著者名/発表者名
      柳原敏昭
    • 学会等名
      地中海学会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2011-06-20
  • [図書] 中世日本の周縁と東アジア2011

    • 著者名/発表者名
      柳原敏昭(単著)
    • 総ページ数
      346
    • 出版者
      吉川弘文館
  • [図書] 日本の対外関係4倭寇と「日本国王」2010

    • 著者名/発表者名
      柳原敏昭, 他(共著)
    • 総ページ数
      204-214
    • 出版者
      吉川弘文館
  • [備考]

    • URL

      http://www.honey.ne.jp/~szell/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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