研究課題/領域番号 |
22520655
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大藤 修 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20110075)
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キーワード | 思想史 / 近世儒学者 / 芦東山 / 無刑録 / 史料保存 / アーカイブズ |
研究概要 |
(1)平成22年度まで、一関市大東町の芦東山記念館に所蔵されている史料300点余の整理と目録化を進めてきたが、それが終わったので、大藤が目録を点検し、訂正を施して完全なものにした。そして、芦東山の生涯と関係史料の伝来・構成について調査・研究し、それを論文にまとめ、目録を付して、「仙台藩儒学者芦東山の生涯と関係史料の伝来・構成:付「芦東山記念館所蔵史料目録」と題して、平成24年3月に東北大学大学院文学研究科東北文化研究室が発行した『東北文化研究室紀要』通巻第53集に掲載した。これは芦東山記念館のホームページでも公開する予定である。 (2)平成22年末と平成23年春に、芦東山の生家である屋号「深芦」芦家の御当主より、1000点余の史料が新たに芦東山記念館に寄託されたので、東北大学文学部・大学院文学研究科日本史専攻の学生を協力者として雇用し、平成23年9月と平成24年3月に各3日間、記念館に赴いて整理と目録作成を行った。史料は整理封筒に収納して保存措置を講じ、基本データをパソコンに入力して目録を作成している。 同家に伝わった芦東山に関する史料はすでに芦東山記念館に入っているので、今回寄託された史料の大部分は陸奥国磐井郡東山渋民村の肝煎の職務に関する史料で、東山に関する史料は少なかった。肝煎文書が同家に伝存したのは、先祖が渋民村の肝煎を務めていたからである。しかしながら、肝煎文書としてはまとまりを欠き、総じて断片的であり、伝来の過程で失われたものが多かったことがうかがえる。 (3)芦東山に関する重要史料の筆耕を、東北大学大学院文学研究科日本史専攻の学生を協力者として雇用して進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
芦東山記念館に所蔵されている史料を整理し、目録を作成して、閲覧利用に供しうるようにすること輝主たる目的であったが、それを終え、目録を『東北文化研究室紀要』に公表するところまで進めることができた。また、芦東山の生家とその分家に伝わっている史料の調査も行った。
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今後の研究の推進方策 |
芦東山記念館所蔵吏料の整理と目録作成を終えたので、最終年度の平成24年度は重要史料の筆耕に力を入れ、将来、芦東山記念館より史料集を発行できるよう準備を進めておく。
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