研究課題
基盤研究(C)
小笠原登は、皮膚科特研に患者を入院させることで、患者の治療より患者の撲滅を目指し、強制労働や強制断種・堕胎が日常化している国公立ハンセン病療養所への隔離から患者を守ろうとし、無癩県運動の渦中においてもそうした姿勢を貫いた。しかし、その一方で、小笠原は警察との連絡を密にし、逃走患者については詳細に警察に報告していた。小笠原は、癩予防法を遵守する姿勢を鮮明にし、そのなかで、皮膚科特研への患者収容を維持し、それをもって国公立療養所への隔離から患者を守り得た。
日本近現代史