研究概要 |
中世後期段階における政治権力構造の特質(特に室町幕府-守護体制下における守護権力の特質)を明らかにするため、当該期守護の受発給文書の悉皆的調査・収集を進めた。当該期守護は多数にのぼるが、斯波氏・畠山氏・大内氏・佐々木(六角・京極)氏・一色氏・小笠原氏・仁木氏・上杉氏・今川氏などを対象とした。具体的作業は以下の2つの方法により進めた。 1,刊本史料による受発給文書の収集:アルバイトを雇用し、上記各守護の分国が位置する自治体史の史料集などの刊本史料から、守護権力の受発給文書を抽出し、データベース作成を行った。 2,史料原本、写本、写真等、刊本史料以外の文書の収集:東京大学史料編纂所を中心に、刊行されていない史料の調査、抽出、写真撮影、筆耕などを行い、データベースの作成を行った。 主として東京在住の研究協力者(岡田謙一氏)に作業を依頼し、進めてもらった。 また、研究代表者自身も東京大学史料編纂所、その他資料所蔵機関を訪れ、史料原本。写真などを調査し、確認を行った。 これらの調査の結果、昨年度に2010年度の成果(斯波氏600通、一色氏・上杉氏200通、大内氏100通)に加え、2011年度は、概数で斯波氏220通、一色氏100通、上杉氏200通、大内氏400通、畠山氏150通、山名氏・土岐氏350通、京極氏60通、六角氏40通、小笠原氏50通、仁木氏50通、今川氏200通の受発給文書を確認・抽出した。 最終年度の2012年度は、上記各守護受発給文書の補足と合わせ、抽出史料の整理、および特質についての考察を行い、成果としてまとめる。
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