研究課題/領域番号 |
22520699
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研究機関 | ノートルダム清心女子大学 |
研究代表者 |
藤實 久美子 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (90337907)
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研究分担者 |
箱石 大 東京大学, 史料編さん所, 准教授 (60251477)
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キーワード | 日本史 / 史料研究 / 太政官日誌 / 幕末維新社会文化論 / 木版刊行物 |
研究概要 |
本研究は、政治・社会の激動期である戊辰戦争期(慶応4=明治元〔1868〕年正月~明治2年5月)の維新政府系の出版物である「太政官日誌」に関する調査を通じて、当該期に大量に現出した木版刊行物に適合的な史料学を確立し、合わせて、当該期の社会文化の研究をおこなうことを目的とする。維新政府系の出版物、いわゆる日誌類は官報前誌に位置づけられるもめだが、日本近世・近代史研究の狭間にあって、研究が著しく立ち遅れている。 ゆえに本研究では、(1)日本各地に散在する「太政官日誌」の所在状況の確認、(2)モデル調査の実施と異本情報の収集、(3)史料学的な調査方法論の提示をおこなう。また(4)維新政府系の「太政官日誌」を通じて、諸情報が流通していくメカニズム及びその受容と影響に関する問題を解明し、当該期に特有な社会文化の展開とその過程について展望する。 平成23年度の成果は、以下の通りである。(1)の調査をすすめ、(1)に基づき(2)として、国立公文書館・大阪市立図書館・大阪天満宮においてモデル調査を順次実施した。並行して岡山大学・早稲田大学・中央大学・東京大学において分担して再調査を行った。再調査終了後、順次、入力修正をおこなった。この作業は12月に終了した。 並行して11月から2月にかけては第2次集計作業としてデータの集計と数値データのグラフ化、第3次集計作業としてテキスト入力データの数値化およびグラフ化をおこなった。(3)は異本調査の継続ののちに成果としてまとめる予定である。(4)については後継の研究発表欄を参照のこと。 日常の意見交換はメーリングでおこない、8月に東京で研究会・モデル調査、3月に大阪でモデル調査と東京で研究会を実施し、討論を重ねた。計画上の変更はない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本大震災の影響で、8月福島からの研究会・調査への不参加があり、また節電のため東京での研究会会場の設営に苦心したが、3月の段階ではようやく旧に復しつつあるとみられるため。
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今後の研究の推進方策 |
モデル調査・データ作成・分析・研究については予定通り行う。 研究の公表については積極的に機会を設けていく。この点については2点の変更点を設ける。 (1)研究成果の共有化をはかるために研究会を公開とする (2)研究報告書を冊子型の印刷物とはせずに、WEBページとして公開し、諸データが有機的に結びつくプレゼンテーションを試行する。
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