研究課題/領域番号 |
22520703
|
研究機関 | 公益財団法人政治経済研究所 |
研究代表者 |
青木 哲夫 公益財団法人政治経済研究所, 戦争災害研究室, 主任研究員 (40446274)
|
研究分担者 |
山本 唯人 公益財団法人政治経済研究所, 戦争災害研究室, 主任研究員 (50414074)
|
キーワード | 東京大空襲 / 関東大震災 / 災害 / 仮埋葬 / 慰霊 / データベース / 避難 / 被災地図 |
研究概要 |
「都内戦災殉難者霊名簿」の研究については、前年に引き継ぎ、全事項データベース化の入力作業を行ない、あわせて、資料調査・関連研究等を分担し、月一回程度の研究会で相互交流をすすめた。 (1)名簿データ入力作業は年度内に完了し(約3万件)、現在精査中である。 (2)名簿自体の成立過程を示す特徴点を洗い出す、基礎作業を行なった。用紙、書き方の様式、訂正の仕方、欄外記入の数字、異筆・後筆などである。 (3)地図化・統計処理のため、原データを加工する新フォーマットの様式と作業手順・分担を確認した。 (4)東京都グリーンアーカイヴス所蔵資料の調査を行なった。 (5)研究会で次の発表があった。 山本唯人「「東京都平和祈念館問題」を再考する」 青木哲夫「グリーンアーカイヴス所蔵資料「東京都慰霊堂の共同使用について」について」 西村健(墨田区立すみだ郷土文化館資料館学芸員)「昭和20年(1945)3月10日の東京大空襲時における住民の避難について」 (6)政治経済研究所付属東京大空襲・戦災資料センター主催のシシポジウム「空襲資料の活用と戦災デジタルマップの世界-霊名簿・体験記・証言映像を読む/表す」(11月19日、明治大学)の計画・準備に参加し、研究会メンバーの西村健氏が「東京大空襲における人的被害の復元的検討-「東京空襲被災地図と証言記録の分析から-」を報告した。 関東大震災の研究については、(1)東京都所蔵資料の複写を行った。 (2)上記の西村報告で、東京大空襲の体験記から関東大震災の記憶についての情報を抜き出し、空襲時の避難行動への影響について、パイロット的な分析を行なった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
名簿データ入力が終わり、その後の方法についても参加者の共通認識があり、被災地図作成の見通しがたった。 関東大震災との比較については、資料収集と共にパイロット的な分析を行い、方法の検討を行った。ただし、この作業の中で、当初の方法では見込み以上の時間がかかることが分かってきたため、方法を工夫して目的に接近する。
|
今後の研究の推進方策 |
「都内戦災殉難者霊名簿」のデータに基づき、計画とおり、その分析と地図化の作業を進め、一定のまとめを行なう。 関東大震災の研究については、空襲との比較が可能な資料を抽出し、比較を行なう。 空襲避難資料中の震災の記憶に関するものの検討を行なう。
|