研究概要 |
研究代表者の山本真は20世紀前半の中国福建省における社会変容を研究する作業を推進した。具体的には①福建沿海部の福州、興化地区と内陸部である龍岩、上杭地区を事例とし、キリスト教の浸透と社会変容の相関関係を検討した。また②沿海部の福州、興化地区からマレーシアへのキリスト教徒移民に関する事例を研究した。 ①については、福建南西部(龍岩、上杭地区)で20世紀初頭に布教を行ったキリスト教宣教団体であるメノナイト・ブレザレンに関わる一次資料を、2012年6月に、アメリカ合衆国カリフォルニア州に所在するフレズノパシフィックユニバーシティー図書館において閲覧した。 ②については昨年度の成果を2012年5月に、山本真「福州華僑とキリスト教―マレーシア・ペラ州シティアワン及びシンガポール訪問記」を『中国研究月報』66巻5号において発表した。加えて、現地研究者との協力関係を強固なものとするためマレーシア・サラワク州シブ市のメソジスト教会華人年議会の黄孟礼氏を招へいし12月2日に筑波大学東京キャンパスにおいて研究会を開催した。黄氏の報告は「興化百年移民史」であった。さらに2月22-24日に長崎大学で開催された国際シンポジュウム「持続可能な東アジア交流圏の構想に向けた人文・社会科学のクロスオーバー」において「20世紀前半、福建省福州、興化地区からの南洋移民とその社会的背景」と題して報告,討論を行った。 研究分担者の丸山は中国キリスト教史関係の英語文献を購入し分析を進めた。
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