研究概要 |
1.本年度研究進捗状況の概要 本年度は、本研究課題に関する2年目であったため、従来の研究成果を踏まえ、本邦における現地調査研究を進めるとともに、台湾の研究協力者と意見交換を行いつつ、台湾における資料収集を集中的に行った。主な調査内容は以下の通り。 2.研究・調査の概況 2012年2月4日~9日、3月12日~21日にかけて、台北・台中・南投において現地資料収集、調査研究を進めた。台北においては、国立中央図書館台湾分館、及び国家図書館において、本研究と関連する先行研究、及び植民地行政機関の史料を収集した。台中・南投においては、宝覚禅寺など、日本各宗派と関係の深い寺院を訪問し、関係者からの聞き取り、及び文献調査を実施するとともに、国史館台湾文献館を訪問し、台湾総督府文書の閲覧・収集を行った。特に台湾総督府の宗教行政に関する重要な資料を得ることができたことは、本研究の進展に大きな意義があった。 また、国立台湾師範大学台湾史研究所察錦堂副教授等、台湾の宗教史研究者と意見交換を行い、本年度の総括を行うとともに、次年度の計画を検討し作成した。 3.成果の公表について 研究成果として、植民地布教研究において,通常,最も植民地統治勢力と近い存在であったととらえられる真宗大谷派について,宗門と植民地政府双方の史料を用い,その歴史的変遷について考察を加えた「殖民地時期真宗大谷派在台湾布教的演変-台北別院落成的象徴意義-」<植民地期における真宗大谷派の台湾布教の変遷-台北別院落成の示す意義->(『円光佛学学報』第18期,pp.139-196,桃園,円光佛学院、2011年12月)を発表した。
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