研究課題
今年度は昨年度に引き続き、既存情報の総合、成果のリリース、最終成果のとりまとめという3つのタスクにつき活動を実施した。1.新疆所在の聖地(マザール)情報については、文献の記載情報ならびに実地調査の成果に依拠し、最終的にクムル地区(東新疆)、カシュガル地区(南新疆)そしてホタン地区(南新疆)を中心に約400座の聖地がリストアップされ、聖地情報記載文献のレファレンス情報を含むデータベースが構築された。2.当研究課題の研究成果としては、研究代表者ならびに研究協力者の2名が5月にコペンハーゲン大学で開催された国際会議"Kashgar Revisited"にて(1)地方文書史料(ワクフ関連文書文書)に依拠した、カーシュガル地区の聖地関連寄進地(ワクフ)の規模と分布に関する研究、ならびに(2)実地調査に基づくカーシュガル地区オルダム廟の宗教儀礼に関する研究の2つの成果報告を行った。この成果論文集は次年度出版の予定である。コペンハーゲン会議では、上述の報告に加え当プロジェクトを含む近接テーマの国際的連携体制の構築を目睹とした学術交流を行った。7月には研究協力者のラヒラ・ダウト新疆大学教授を招聘し、データベースや最終成果物のための協議と作業を行うと共に、東洋文庫(東京)ならびに日本アルタイ学会(野尻湖クリルタイ)にて講演と研究発表を行った。3.さらに、当研究課題の最終的な成果に位置付けられる『中国・新疆ウイグル自治区所在イスラーム聖地(マザール)便覧』(仮題)については、上述のデータベース収録データに基づき、公刊を射程に置いた暫定版(provisional edition)の編纂を行った。以上、今年度も予定されたタスクは概ね実施され、最終年度に当たり、当研究課題は所期の目的をほぼ達成できたものと結論できる。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Zsombor Rajkai and Ildiko Beller-Hann(eds.), Frontiers and Boundaries: Encounters on China's margins. Wiesbaden: Harrasowitz
巻: 1 ページ: 177-201.