研究課題
基盤研究(C)
オランダ植民地支配期末期から日本軍政期にかけてのインドネシア・ムスリムの動向を、その出版物(特に新聞・雑誌)、植民地政府の報告書と付き合わせながら再検討するための資料収集を行った。資料はまだ読み込んでいる途中であるが、特に1930年代について従来の研究に対して次の2点で新しい知見を提供できる。第1に、イスラーム系メディアには国際情勢(中東、ヨーロッパ、東アジア)に関する記事・論考が写真入りで多く掲載されており、今までほとんど論じられなかったムスリムの国際関係認識が明らかにできた。第2に、ナショナリズムとイスラーム、植民地議会設置に関する議論が多く、民族独立運動にほとんど役割を果たさなかったとされてきたイスラーム運動体が、実は植民地末期には大きな関心を寄せていたことが判明した。また、日本軍政期に関しては、イスラーム工作と関わったBeppan(別班)関係者の尋問書はあったが、イスラーム工作に関する証言はきわめて少なかった。
すべて 2013 2012 2011 2010
すべて 雑誌論文 (5件) 学会発表 (5件)
アジアのムスリムと近代:1930年代出版物から考える
巻: No.19 ページ: 49-69
Acta Asiatica (Bulletin of the Institute of Eastern Culture)
巻: No.104 ページ: 99-120
岩波講座東アジア近現代史新秩序の模索1930年代
巻: 第5巻 ページ: 173-194
The WahidInstitution (Ota Atsushi, Okamoto Masaaki, and Ahmad Suaedy (eds.), Islam in Contention: Rethinking Islam and State in Indonesia Jakarta)
ページ: 285-318
イスラームの歴史
巻: 2 ページ: 203-240