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2011 年度 実績報告書

「リーバアマン文庫」研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520730
研究機関東北大学

研究代表者

有光 秀行  東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (80253326)

キーワード西洋史 / 中世史 / 近代史 / イギリス史 / ドイツ史
研究概要

本年度は昨年度に引き続き、19~20世紀のユダヤ系ドイツ人中世法制史研究家として、特にアングロ・サクソン法の編纂に功績のあったフェリックス・リーバアマンについて、(1)東京大学総合図書館の書庫に納められている「リーバアマン文庫」(現在利用できるカタログに明記されないが「文庫」に含まれると思われる文献をふくむ)に一点一点あたって、正確なカタログの作成作業を行うこと、その際、扉に書き込まれた献辞などの情報、本文中への書き込みの有無・多寡にも留意する、(2)(1)にもとづきリーバアマンを中心とした知的交流の世界の再構成を試みること、を中心に、研究をおこなった。さらに具体的に述べると、「文庫」既登録のドイツ語文献ほぼすべてにあたるとともに、未登録であった資料30数点もあらたに発見し、内容を調査した。特に、リーバアマンの知的交流や、第一次世界大戦に関する彼の考えを知る上で貴重な情報を含み持つ資料、たとえばユリウス・ハットシェック著『イングランド人の国家観』やフーゴー・プロイス著『世界大戦、民主政、ドイツの革新』、スチュワート・チェインバレン著『誰が戦争を引き起こしたか?』、ローレンツ・モースバッハ著『イングランドとイングランドの危難』などを発見できたことはおおきな収穫であり、今後の分析を具体的に方向づけるものだった。またアメリカのハスキンズ・ソサエティ研究会に参加し、コンピュータを利用した史料整理の動向などについて知見を深めることができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リーバアマン研究の基礎となる「文庫」収蔵文献の再構成、および文献の内容把握の作業は、きわめて順調に進展している。それはまた、今後本格的に取り組むことを予定している、彼の主著への書き込みの解読(近代人の手書き史料は概して解読が難しい)の準備作業にもなっている。

今後の研究の推進方策

前年度までに参照し得なかった文献の調査を完了させ、「文庫」の全容について公にできる形でまとめる。あわせて、前年度までに把握し得た、特に第一次世界大戦に関するリーバーマンの考えを物語る資料の分析を通じて、彼の知的交流世界の再構成にアプローチする。さらに、新・初期イングランド法編纂プロジェクトの活動進捗状況をふまえながら、『アングロ・サクソン法』への詐き込み解読にも取り組む。

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公開日: 2013-06-26  

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