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2010 年度 実績報告書

20世紀スペインの植民地戦争と兵役制度・軍人社会

研究課題

研究課題/領域番号 22520734
研究機関茨城大学

研究代表者

深澤 安博  茨城大学, 人文学部, 教授 (60136893)

キーワード20世紀スペイン / 植民地戦争 / 兵役制度 / 特権兵士 / 貧者の兵士・富者の兵士 / 血税
研究概要

当該年度の研究は、第1に、20世紀初頭からモロッコで展開されたスペインの植民地戦争ではどのような人々が兵士として戦っ(わされた)たのか、第2に、植民地戦争によって兵役制度がどのように揺さぶられたのか、を解明することを目的とした。
1910~20年代にスペイン人青年男性をスペイン軍の兵士にしえた制度的基礎は1912年兵役法である。植民地戦争が本格化すると、富者は同兵役法による特権兵士制度(納付金兵士)と代人によって血税を免れ、貧者は同兵役法による身体上および家族上の理由での兵役免除と徴兵忌避によって血税を免れようとした。特権兵士制度に対する批判は強く見られたが、結局、この制度は維持された。しかも、貧者が受動的に兵役に抵抗したのに対し、富者たちは組織的な特権兵士帰還運動を展開した。スペイン政治・社会が期待した志願兵を基礎とした植民地戦争の遂行は、志願兵への応募者が少なかったので実現しなかった。以上のように、1910~20年代の兵役制度の実態とそれが植民地戦争によってどのように揺さぶられたのかを明らかにすることができた。
以上の研究は、スペイン陸軍史料館(スペイン、マドリード)にマイクロフィルムで所蔵されている徴兵関係文書の閲覧と検討によって可能となった。また、スペイン陸軍史料館に付設されている図書室・マドリード市立新聞資料館・スペイン国立図書館で、軍内で発行されていた3新聞(『軍人通信』、『スペイン軍』、『陸海軍』)と『植民地軍雑誌』を閲覧・検討したことで可能となった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 20世紀スペインの植民地戦争と徴兵制-貧者には血税、富者には金の税-2011

    • 著者名/発表者名
      深澤安博
    • 雑誌名

      人文コミュニケーション学科論集

      巻: 10 ページ: 77-113

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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