今年度は1900年の時点でダーラム市に住むアフリカ系アメリカ人が家族構成の点からどのような特徴をもつ家族を作っていたかについての基礎データを収集することが目的だった。 8月2日から9月13日までの日程でアメリカ合衆国ノースカロライナ大学へ出張し、現地調査を行なった。今回の調査では、アフリカ系アメリカ人のグループと(比較対照のために用いる)白人のグループそれぞれについて調査対象地域を確定した上で、1900年センサス原票から家族とその構成員のデータを収集した。今回収集したデータは総数でアフリカ系アメリカ人703家族、白人306家族に及んでいる。 帰国後に収集したデータの分析と解析を行なった結果、1900年の時点でアフリカ系アメリカ人は白人と比べていくつかの点で明らかに特徴の異なる家族を形成していたことが明らかになった。調査結果とその歴史的意味について、12月にふたつの研究会において報告した。 なお、今年度はアフリカ系アメリカ人の家族については1900年にダーラム市内に住んでいた人全員を調査しデータを収集したが、急速に市が拡大していた中で当時は市内に含まれていなかった地域に多数のアフリカ系アメリカ人が生活していたことも判明し、彼らについてのデータ(規模にして400家族ほどはあるものと推定される)は来年夏に補充することにした。
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