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2012 年度 実績報告書

初期ソヴェト体制における支配構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520741
研究機関金沢大学

研究代表者

梶川 伸一  金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (50194733)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードネップ / レーニン / トロツキー / 飢饉 / 教会貴重品収用キャンペーン / 穀物輸出
研究概要

1921年3月の第10回ロシア共産党大会での決議「割当徴発から現物税への交替」、それに基づく3月21日づけ政令は、播種キャンペーンへのプレミアとしての現物税完納後の農民への自由取引の認可であったが、3月28日づけ自由交換に関する布告は、税完納後ではなく、即座のその認可であった。この布告作成の過程は、最終草案が作成された27日づけカーメネフ特別委の税完納後の原則から逸脱したものであったが、それはカーメネフ特別委案を3月27、または28日にレーニンが改竄し、特別委案として28日の党中央委政治局会議にそれを提出し、採択したと考えるのが、アルヒーフ資料から判断して、合理的であること。
21/22年の飢饉対策として、教会貴重品収用キャンペーンが行われたが、一旦は頓挫したかに思えたこのキャンペーンが直接教会弾圧に方向を転じたのは、シュヤ事件を契機とする22年3月19日づけレーニンの厳秘書簡であった。この書簡の指示に基づき、教会弾圧の立役者となったのがトロツキーであるが、彼の活動は非公然化された。彼のこのキャンペーンの目的は収用された教会財産のうち5%を軍事官庁に拠出することであり、23年4月の第12回ロシア共産党大会で、彼は数年以内の赤軍の装備の充足計画を出したことからも明白である。こうしてトロツキーは非公然でありながら、党中央で絶大な権限を獲得し、それはレーニン亡き後の党内闘争で重要な要因となった。
しかしながら、民衆の大きな抵抗を排除して実施されるこのキャンペーンには莫大な経費が必要とされ、ネップにとってもっとも必要な経済復興の財源にはならなかった。新たな財源探しがはじまり、その手段として穀物輸出以外にありえなかった。穀物輸出を実現するためには、ロシア国内の飢饉はありえず、こうして22年10月に早すぎる飢饉の終息宣言が行われ、同時に最初の穀物の輸出が行われた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] ボリシェヴィキ権力と二一/二二年飢饉2013

    • 著者名/発表者名
      梶川伸一
    • 雑誌名

      『史林』

      巻: 九六巻一号(『災害』特集号 ページ: 128/166

    • 査読あり
  • [学会発表] 1921年3月-ネップ神話のはじまり

    • 著者名/発表者名
      梶川伸一
    • 学会等名
      慶應義塾大学 社会史コロキウム/社会民主主義研究フォーラム
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 招待講演
  • [図書] Ленинский политический режим и голод в 1921-1922 гг. //Новейшие исследования отчетсвенных и забежных историков2012

    • 著者名/発表者名
      梶川伸一
    • 総ページ数
      102/114
    • 出版者
      Пенза-Саранск.2012.С.102-114.
  • [図書] 「「赤色テロル」と1922年の教会弾圧」、野部公一、崔在東・編『20世紀ロシアの農民世界』2012

    • 著者名/発表者名
      梶川伸一
    • 総ページ数
      93/130
    • 出版者
      日本経済評論社

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公開日: 2014-07-24  

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