研究課題
平成22年度は、国立公文書館、国会図書館、米国立公文書館ならびに米連邦議会図書館において、主として以下の3点に関する資料の探索と収集に24日間を費やした。(1) 国立公文書館、国会図書館においては、原爆投下直後の政府関係者の反応と対応に関する公文書ならびに二次資料の探索を行った。(2)米国立公文書館においては、1950年代の米空軍戦略空軍司令部ならびにAtomic Energy Commission作成の核戦略と予想被害状況に関する多数の報告書ならびにその他の関連資料、さらには朝鮮戦争中の米軍戦略爆撃と核戦略をめぐるアメリカ政府(特に大統領ならびに国務長官)の意見に関わるメモ、書簡や報告書類、これら2種類の資料の収集の収集に当たった。(3)米連邦議会図書館においては、主として朝鮮戦争期ならびにその前後期における米空軍が発行した新聞雑誌類に目を通し、核戦略関連の記事の収集に務めた。資料収集に当たっては、以下の3点にわたる重要問題に視点を当てた。(1)核戦略の構築と予想被害状況推定情報の作成に当たり、関係者(政府首脳ならびに軍上層部)が、どこまで「敵国民間人の生命保護」に配慮したのか、(2)朝鮮戦争における無差別爆撃による具体的な被害状況と国内批判が、核戦略構築にどのような影響を及ぼしたのか、(3)「付随的損害論」と「核攻撃による民間人大量殺戮」との矛盾に対して、政治的、軍事的のそれぞれの面でどのように対処しようとしたのか、あるいは、そのような矛盾にもかかわらず、どのようにして併存させるようになったのか。当初目的とした当該年度における関連資料の探索、収集という点では、ほぼ目的を達した。
すべて 2011 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)
The Asia-Pacific Internet Journal, Japan Focus
(インターネット)ニュース・スパイラル
http://www.hiroshima-cu.ac.jp/modules/peace_j/content0033.html