一年目となる平成22年度は、イギリスの各文書館での調査を7月と3月の二回に分けて行い、大規模な史料サーベイに集中した。British Library、 Wellcome Library、 Dr Williams's Library、 Lambeth Palace Library、 Institute of Historical Research(以上ロンドン)およびBodleian Library(オクスフォード)にて、議会・教会関係史料をふくむ様々な17世紀手稿史料の閲覧・撮影を行った。特に、1651年の「ラヴの陰謀事件」にかかわるBodleian Libraryの重要手稿史料群、同時期の長老派ネットワークにかかわるLambeth Palace Libraryの手稿史料群は、本研究課題にとって非常に有益な収穫となった。今年度の調査を通して、教会改革をめぐる長期議会招集前後の討論と、共和制期における宗教政策の連続性が重要であるとの認識に改めて至ったため、平成23年度以降は1630年代後半から40年代前半にかけての議会討論、議員日記などの史料を中心に調査を続ける予定である。本年度も、EEBOをはじめとする電子史料データベースを活用し、またデジタルカメラを用いた史料撮影も多く行った。研究成果を発表する段階には至らなかったが、国内外の研究者との研究討議を経ながら、論文執筆にむけて準備を続けている。
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