研究課題/領域番号 |
22520754
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
伊賀上 菜穂 中央大学, 総合政策学部, 准教授 (10346140)
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キーワード | 満州国 / ロシア / コサック(カザーク) / 移住 / ディアスポラ / 満蒙開拓 / 呼倫貝爾 / 三河 |
研究概要 |
平成23(2011)年度は三河地方コサック農村に関する日本語・ロシア語資料の収集と分析を行うとともに、三河地方コサックに関する旧「満洲国」時代の日本人の研究を海外に紹介するための準備を行なった。 前者については特に、三河地方コサックの一部が信仰していた古儀式派ベロクリニーツァ派の分析に力を入れた。特に、ハルビン・三河地方・ソ連国内およびルーマニアにおける同派の連関を、ブリヤート共和国文書館資料およびハルビン教会司祭の手記に基づいて調査した(同テーマに関する論文は、現在刊行準備中)。また同派の現状を示すものとして、アラスカのロシア人古儀式派教徒の現状に関する論文を執筆・発表した。 後者の研究紹介に関しては、『三河露人農家の農業経営調査報告』(満鉄調査部、1943年)を選択し、そのロシア語翻訳と統計資料の整理を進めている。翻訳についてはロシア人研究者の助言も受けながら、現在3分の1ほどの作業を終了したところであるが、統計資料に関してはその精度について検討を加えているところである。本作業は来年度以降も継続し、最終的には刊行物あるいはウェブ上での公開を行なう予定である。 このほか、旧満洲におけるロシア系ディアスポラ全体に関する調査として、大連における日本人とロシア人の関係に関する聞き取り調査を実施し、その資料整理と分析を進めている。またロシア人フォークロアに現れる他民族(日本人、中国人等)との関係についても調査し、小文を著わした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
12月末から育児休業等の取得により研究を中断した。またその関係で、海外・国内調査(出張)を中止した。
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今後の研究の推進方策 |
来年度に研究中断から回復する予定であるが、国内、海外を含めた移動が困難となり、海外での資料収集や発表が困難になると考える。そのため当面は、翻訳作業および資料の分析と論文執筆を中心に研究を進める予定である。
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