1. 旧「満洲国」時代に日本人が三河地方で行った研究内容を海外に紹介するために、『三河露人農家の農業経営調査報告』(満鉄調査部、1943年)の翻訳作業を進め、成果報告書として印刷・製本し、日本、ロシアなどの研究者と図書館に送付した。 2. 阪本秀昭編著『満洲におけるロシア人の社会と生活』(ミネルヴァ書房)の刊行に共著者として参加した。三河コサックおよびロマノフカ村に関して、「日本人が描いたロマノフカ村」「日本人が見た三河コサック村」と題した2編の論文を執筆した。また同テーマに関するYu. アルグジャーエヴァのロシア語論文、「旧住民が語る満洲古儀式派村の暮らし」と「ロシア側資料に見る三河コサック村の生活」を翻訳した。 3. ロシア・ハバロフスク市から古儀式派研究者のイヴァン・シェヴニン氏を招聘し、三河地方の古儀式派教徒に関する情報交換を行うとともに、1の報告書翻訳に関して内容の確認を依頼した。また第5回東アジアスラヴユーラシア研究会議(2013年8月9~10日、大阪経済法科大学)に参加し、同氏が報告者となるパネル「Old Believers in Manchuria」の司会を担当した。 4. 9月3日から9月10日まで、哈爾浜を中心とする中国東北部において、亡命ロシア人研究者との共同現地調査を実施した。また本調査を踏まえて共著書『満洲の女たち』(大阪大学出版会)の内容が議論された。研究代表者は「表象としての農村ロシア人女性:日本人作家の眼を通して」と題する一章を執筆し、その中でコサック女性の表象を論じた(2014年度中の刊行をめざして編集中)。
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